NHKと日本IBMの訴訟について

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結構前の記事なのですが、気になる記事を見かけました。

NHKに提訴された日本IBMの反論が生々しい…仕様書に記載ない仕様が満載NHKがシステム開発を委託していた日本IBMに対し、開発の遅延による契約解除に伴い損害賠償などを求めて提訴。日本IBMはリリースを発表して反論。その内容が事実ならNHKはベンダーに対して内容的に不足のある仕様書を提示し、協議に応じなかったということになる。biz-journal.jp

定期的に発生するシステム開発に関する訴訟問題です。
NHK(システムを作ってもらう人)が日本IBM(作る人)を開発の遅れを理由に契約解除&損害賠償請求(54億円)をしているようです。

特に気になったのがこちらの一節
引用:
現行システムの解析を進める中で、提案時に(編集部追記:NHKから)取得した要求仕様書では把握できない、長年の利用の中で複雑に作り込まれた構造となっていることが判明したため、当社はNHKに対し、解析の進捗状況、課題およびそれに対する対応策を随時報告し、共にその対応を検討してまいりました。
ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/company/post_386528.html
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難しい文章ですね。
今使っているシステムと事前に貰った仕様書とが違う!とIBM社が言っているようです。

そもそも、元のシステムを作っていたのは富士通社みたいです。

システムは物理的にもどんどん古くなってしまうので定期的に作り直さないといけません。
作り直すにしても既存のシステムをベースにするのが無難なので、既存の業者(今回は富士通)が有利です。

元のシステムの仕様を知っているわけですからね。

にも関わらずまずIBM社が受けよう!と思ったのは「この仕様書の内容なら大丈夫そう!」と判断したからです。
これが「全然システムと仕様書違うじゃん!」となってしまったということですね。

もちろん程度の問題はあると思います。
元のシステムの仕様を全て紙に書くなんて少しでもかじったことがある人ならわかりますからね。

ただ、「予定通りに進めるのは無理ー」と日本IBMが言っているので少なくともほぼ影響がない軽微な差分では無さそうです。

巨大なシステムを他の業者に作り直させる、というのは非常にハードルが高いものだと思います。
少なくともシステム運用や仕様変更周りをベンダ任せにしているようだと無理なので、「システムは分からんからベンダに任せよう!」という風潮はなくした方が良いかと思いますね。

そうでないといつまでもベンダロックイン(一つの会社にシステム発注を依存してしまうこと)は解消されず、高い金をずっと支払うことになってしまいます。

〇各社に思うこと

だらだらと書いてきましたが最後に各社に思うことを書いていきます。

①NHK(発注者)に思うこと

「とりあえず面倒なことは隠して。受託させたらこっちのもん」というようにNHK側は考えているんじゃないかと邪推してしまうのはこれまでの経験のせいですね。

NHKからしたらシステム自体はあくまで道具なので軽視する気持ちもわからなくはないです。ただ、現代はシステムがないと何もできなくなるくらいのIT社会です。
いつまでもIT技術者を軽視する宗教からは脱した方が身のためだと思います。

要件はなるべくスモール、シンプルにして、かつITでできること・できないことを費用面含めて理解している人が発注側にいないと碌なことにならないです。
そろそろ真面目に考慮すべきですね。

日本IBMに思うこと

「うちは契約通り要求仕様書の通り作ります。あとは運用で何とかしたら?」というのが外資系ベンダーの印象でした。(流石に古いですかね)

日本IBMも外資系のベンダの一員だと思っていたので要求仕様書と現行のシステムが異なる状況にも拘わらずスケジュールややり方を変えればできます!と提案しているのには驚きました。

まあ働いているのは日本人ですしね。
ユーザライクで良いと思います。

開発スケジュールの延伸や開発方法の変更、追加で開発が必要となる機能等々でどれだけ追加費用を請求していたのか気になります。

ただ、この記事だけ見ると非常に誠実な対応をしていて好印象です。
システム更改を外様が受託するのは非常に大変なので中の人には頑張ってほしいですね。

富士通に思うこと

勿論、当事者でないとちゃんとしたことは分かりませんが、要求仕様書とシステムに乖離があるのは元受託者である富士通にも原因はあるのではないかと思います。

もしかしてこの先ベンダロックインさせるために敢えてこの状況をキープした??とも疑ってしまいましたが、それならそもそも他社に入ってこられないよう参入障壁を高く見せる方がよいですよね。

そんなシステム作ってしまった富士通の評判も下がりそうですし・・
ちょっと前、マイナンバーカードのシステムにしても富士通系の技術力はどうなんですかねー

富士通にしかできない領域や仕事も多いと思うので印象が良くなるよう上層部の方には頑張ってほしいですね。

今はどうしても「無理して頑張ってダメだった」みたいなパターンが多い気がしていて、SEは頑張ってるのに営業や受託要否の判断をする上層部がイマイチ、みたいな印象です。
あくまで外から見てなので、中からみるとまた違うかもですが。

〇さいごに

すごく気になった記事なので感想を書いてしまいました。
見直す気も起きないほど雑に書き殴りましたね。将来的にはもう少し体系的に書けるように頑張ります。

さて、最後になりますが、現代のシステムを「会社の道具」とだけ考えるには金額も会社への影響も大きすぎるくらいになってしまいました。

なので、発注者側(特に経営層)はIT技術者を多く抱えて自分たちで何とかできるようにするか、パッケージ商品を使うかの二択を迫られています。

今はAIがあるからIT技術者はいらなくなるとか向こう50年はないですからね。
えいやで進めても現場が疲弊しお金が無くなるだけなので改心してください。